ハナミズキ / 一青窈(2004年)
曲に込められた平和への想い
「ハナミズキ / 一青窈(2004年)」とは
「ハナミズキ」は、一青窈さん5枚目のシングルであり代表曲のひとつ。
タイトルの元になった "ハナミズキ" は、一青窈さんが学生時代によく行っていた世田谷区二子玉川にある「ドッグウッドプラザ」が由来している(ハナミズキの英名は「dog wood」といい、和訳すると「犬の木」)。
アメリカ同時多発テロ時、ニューヨークにいた友人からのメールをきっかけに、一週間ほどで書いた詞であった。
作詞当時はA4用紙3枚程で "テロ"、"散弾銃" といった言葉があり、一青さん曰く「挑戦的な詞」であったという。
その詞を削っていって「君と好きな人が百年続きますように」のフレーズにたどり着いたのは、一青さん自身も不思議に思っているらしい。
MVでは手話が取り入れられており、NHK紅白歌合戦で披露した際も大学生時代のサークルの友人と共に手話を行っていた。
歌手の間でも歌われることが多く、2006年の鎌倉でのライブイベントで共演した森山良子さんに絶賛された。
また、作曲者であるマシコタツロウ氏のアルバム『歌う声を聞けば』をはじめ、徳永英明氏の『VOCALIST』、甲斐よしひろ氏の『10 Stories』といったカバーアルバムに収録されている。
また、ラジオ番組では福山雅治氏がギターでの弾き語りをした。
2018年のアクト・アゲインスト・エイズ「ひとり紅白歌合戦」において桑田佳祐氏による歌唱も披露された。
君と好きな人が百年続きますように
制作に至る直接的なルーツはアメリカ同時多発テロだが、推敲の段階で直接的な表現はそぎ落とされ抽象化し象徴化された本作は、未来に向けた平和への願いを表現した楽曲となっている。
だが、その言葉の端々にはあの忌まわしいテロに対するメタファーが隠されている。
たとえば、ハナミズキの花言葉には「返礼」「永続性」「想いを受け取ってください」「華やかな恋」などがある。
なかでも「返礼」は、日本に桜が贈られたことへの返礼としてハナミズキが贈られた日米交流の歴史に由来しており、アメリカを連想させる。
登場人物である「僕」と「君」の関係性も特徴的だ。
直接的な表現こそないがふたりは別の世界の、おそらくはそれぞれ現世と常世の住人なのだろう。
そして平穏な日々が100年、すなわち永遠に続くことを願う気持ちが込められている。
僕の我慢がいつか実を結び
果てない波がちゃんと
止まりますように
君と好きな人が
百年続きますように
君と好きな人が
百年続きますように
あなたはアメリカ同時多発テロのバックラッシュ(反動)で犠牲になった人々のことをご存知だろうか。
9.11。
この日アメリカ人は、2001年9月11日に起きたアルカイダのテロ攻撃で亡くなった2996人を思い出す。
彼らを追悼し、彼らの人生に思いを馳せ、あの恐ろしい日の出来事を思い出すことだろう。
しかし9月11日のテロの後、数週間から数ヶ月の間に中東系の人々やイスラム教徒を標的とした、強いバックラッシュによって殺害された何十人ものアメリカ人のことを思い出す人は、ほとんどいない。
これらの犠牲者の悲劇的な物語は、アメリカ国民によって十分に語られることなく、認められることもなかった。
後に連邦政府が反アラブ・反イスラムの差別や暴力が急増していることを認めたにもかかわらず、多くの場合、警察や司法制度は彼らの殺人と9.11を結びつけようとはしなかった。
怒りと人種差別的な感情により、多くのアメリカ人は、それらの殺人事件が9.11と関連しているという事実を受け入れることができない。
犠牲者がイスラム教徒や「中東っぽい」パキスタン人、シーク教徒、ヒンズー教徒だっただけで殺されたという事実を。
これらの犠牲者は、あの悲劇的な事件の記念行事に名を連ねることはない。
しかし9.11。
アメリカ人がテロ攻撃を忘れないために立ち止まるとき、バックラッシュの犠牲者一人一人も、テロ犠牲者同様認識されるべきなのである。
でなければ、いつまでたっても憎しみの連鎖を断ち切ることはできないのだから。
世界から差別と憎しみがなくなりますように。
いつか「果てない波がちゃんと止まりますように」。
そして「君と好きな人が百年続きますように」。
ヘイリー・ウェステンラ / ハナミズキ
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎


