アニメ第2期前編
終末のワルキューレII
『終末のワルキューレ』とは
『終末のワルキューレ』(英題:Record of Ragnarok)は、梅村真也原作、フクイタクミ構成、アジチカ作画による漫画。
コアミックス(旧ノース・スターズ・ピクチャーズ)の月刊誌「月刊コミックゼノン」にて、2018年1月号より連載。
2021年にアニメ化、舞台化された。
神々による人類滅亡の決議に待ったをかけた戦乙女が、人類史上最強の英傑たちを選出して戦いを挑む様を描いたバトル作品。
連載開始直後から話題となり、2018年5月に発売された単行本第1巻は発売直後から品薄となったため、大量重版となった。
また、同年9月に単行本第2巻が発売された際には、作者のアジチカ先生が第1話をすべてTwitterで公開したことから、読者を大きく増やした。
2022年11月時点で累計発行部数は1400万部を突破している。
第1回戦で登場した呂布奉先を主人公としたスピンオフ作品『終末のワルキューレ異聞 呂布奉先飛将伝』(作画:オノタケオ)が、同誌にて2019年12月号から2023年1月号まで連載。
2019年12月号には錦ソクラ先生の漫画『3年B組一八先生』(『近代麻雀』掲載)との読みきりコラボレーション漫画も掲載された。
公式スピンオフ第2弾として、殺人鬼のジャック・ザ・リッパーをメインに描いた『終末のワルキューレ奇譚 ジャック・ザ・リッパーの事件簿』(作画:イイヅカケイタ)が、同誌にて2022年12月号から連載が開始された。
終末のワルキューレ異聞 呂布奉先飛将伝 コミック 1-5巻セット
アニメ第2期『終末のワルキューレII』
第1期は2021年6月17日よりNetflixにて配信開始。
沢城みゆきさんのお声はいつ聞いてもサイコー。
第2期『終末のワルキューレII』は2023年内にNetflixにて配信。
1月26日に配信される前編(第1話〜第10話)と、同年内に配信される後編(第11話〜第15話)で構成される。
あらすじ
人類の誕生から700万年。
進歩の兆しがない人類を見限った神々は、1000年に1度開かれる「人類存亡会議」にて、人類に「終末」を与える決議を行った。
そこに戦乙女(ワルキューレ)の長姉・ブリュンヒルデは決議に待ったをかけ、超特別条項に基づく神VS人類最終闘争(ラグナロク)で人類の行く末を決めることを提案する。
当初はその申し出を相手にしなかった神々だったが、ブリュンヒルデの挑発にプライドを傷つけられたことでラグナロクの開催を決定した。
かくして、天界が誇る最強神たちと、秘術「神器錬成」で神器と化した戦乙女たちを伴う最強の人類「神殺しの13人」(エインヘリャル)による、13番勝負の幕が上がる。
第4回戦:霧の殺人鬼・ジャック・ザ・リッパーvs不屈の闘神・ヘラクレス
ポセイドンの消滅を目にした神々は人類の強さとブリュンヒルデの本気を再認識し、ギリシャ神敗北の借りをギリシャ神で返したいとするゼウスらの要望でヘラクレスを出場させる。
一方ヘラクレスが出場すると知ったブリュンヒルデは、当初からヘラクレスの対戦相手と決めていた殺人鬼のジャック・ザ・リッパーを選出し、ジャックの要望をヘラクレスが了承したことで両者は19世紀ごろのロンドンの街並みを再現した闘技場で激突する。
ヘラクレスは、序盤からジャックの変幻自在な攻撃を真っ向から迎え撃ち、「十二の災禍と罪過」の御業で追い詰める。
しかしジャックは、戦乙女・フレックを強制的に神器錬成させた手袋によって触れた物体を神器へと変化させる能力を、幾重にも巡らせた策謀によってヘラクレスを欺いた末にその左腕を切り落とす。
劣勢になりながらも衰えず、人類に抱く愛をもって、ジャックの過去やそれに由来する歪みと向き合うヘラクレスと、その純粋な「真実の愛」を持つ心を絶望に染めたいジャックの戦いは激しさを増していき、最後はジャックが瀕死になりながらも手袋に自身の血を纏わせ、神器と化した手刀「Dear GOD」にてヘラクレスの身体を刺し貫くことに成功し致命傷を与える。
しかし最後までヘラクレスの心は変わることなく、勝利したジャックもヘラクレスの心を絶望に染められなかった自身の負けを認める。
ヘラクレスは人類の救済をブリュンヒルデに託して消滅し、ジャックは自身が経験のない感情を覚えながら第4回戦は幕を閉じる。
第5回戦:無類力士・雷電為右衛門vs宇宙の破壊神・シヴァ
4試合を終えて2勝2敗とイーブンになった状況で、兄のように慕っていたヘラクレスへの思いを押し殺したブリュンヒルデは、最強の力士・雷電為右衛門を選出して勝ち越しを狙う。
一方負け越しを許容できない神側は、インド神話最強の破壊神・シヴァを出場させ、第5回戦は両者による真っ向からの格闘戦となる。
時を同じくして、これまでの試合を観戦していた神側の代表・ロキは、神々に拮抗する人類に対して抱いた疑問から、同じ代表である釈迦を裏切り者と疑う。
両者は一触即発の状況となり、その場に毘沙門天率いる天界処刑人の七福神、試合を終えた小次郎、さらに人類側の代表として順番を待つ沖田総司と近藤勇が乱入したことで場外乱闘の機運が高まるが、ゼウスとオーディンの介入によりそれぞれに遺恨を残す形で、事態は収まった。
一方試合は、スルーズが神器錬成した超筋外骨締廻によって本来の力を発揮した雷電がシヴァの腕を自身の手で一本握り潰す波乱の展開を迎えていたが、互いに自身を信じるインド神界の仲間の思いを受けたシヴァ、力士ら人類の声援を受けた雷電は互いに自身の限界まで大技を繰り出し、人類・神問わず興奮へと導く。
最後に最強の技をぶつけ合い結果としてシヴァが雷電の右腕を破壊する。
力士の意地を貫き転倒を防ぐも余力を失った雷電は、悔いを残さずに全力の相撲を満足するまで取れたことをシヴァに感謝し、シヴァも最後まで膝をつかなかった雷電を褒め称え最高の試合を創れた事に感謝しその首を斬り落とし、神側が3勝目を手にする。
主題歌
- 「ルードルーズダンス」
美波さんによる第2期オープニングテーマ。
- 「祈」
小野正利氏による第2期エンディングテーマ。
「You're the Only…」以外で小野正利氏の歌声を久しぶりに聴いた気がする。
八百万の神信仰の日本人ならでは
熱心な信仰を持つ国や唯一神信仰の国では、こんなアニメは決して許されないだろう。
何せ、生き残るためとはいえ神に仇なす人間の姿を描いているのだから…。
ただし、本作に登場する神々は酷く人間臭いのが特徴だ。
こんな風にいったら宗教家からは怒られるだろうが、神とは所詮は人間が救いを求めるために創造した空想の産物でしかない。
だから神は人間臭いのだ。
そういう意味では、本作の神の描写は適切なのかもしれない。
しかし面白いもので、第4回戦の相手である不屈の闘神・ヘラクレスは半神半人であるが、生粋の神以上に気高い神として描かれているのが面白い。
そのことを鑑みると、本作が描く神にはもしかしたら宗教素人には計り知れない、奥深い意味が込められているのかもしれない。
何はともあれ、八百万の神信仰の日本人ならでは作品である。
第2期前編は中だるみシーズン
第1期時にも記したが、作品の発想自体は大変面白い。
神vs人間にはワクワクしか感じない。
ただこれも第1期時に懸念した通り、人材(神材?)豊富な神側に対して人間側の人材が圧倒的に足りない。
全13戦のシナリオバランスを考えれば、第4・第5回戦で中だるみするのも致し方ないことかもしれない。
ジャック・ザ・リッパーは世界的にも有名だから理解もできるが、雷電為右衛門のセレクトには疑問が残る。
まぁ、日本の漫画作品に日本人を多く登場させなければ盛り上がらないのもわからなくはないが…。
さらにペースダウンも中だるみを強調してしまった。
これも全13戦しかないのだから致し方ない部分ではあるのだろうが、本戦とは関わりない部分でもう少し見所を増やすべきだったように思う。
それでも総評として面白いことは間違いない。
昭和風の暑苦しさも相変わらず健在だ。
何より、沢城みゆきさんのお声が美しい。
第2期前編ではペースダウンしたが、その分第2期後編での巻き返しを期待する。
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