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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【アニメーション映画『パプリカ』】あまりにも時代を先取りしすぎた奇才・今敏監督の遺作にして最高傑作。

 

 

 

 

 

アニメーション映画

パプリカ

 

 

『パプリカ』とは

 

 

『パプリカ』(PAPRIKA)は、今敏監督による日本の劇場用アニメ映画。

原作は筒井康隆氏が1993年に発表した長編SF小説『パプリカ』

他人と夢を共有できる画期的な装置の発明を巡って、悪夢を見させる夢のテロリストと、夢探偵「パプリカ」の戦いを描いている。

夢の中に入って事件を追うという原作の設定を踏襲しつつ、ストーリーは大胆に脚色されている。

製作では、千年女優』(2001年)より平沢進氏とタッグを組んでいた今敏監督が、平沢氏に先に音楽を作成して貰い、そこから更に映像に描きだす手法が使用された。

2006年11月25日からテアトル新宿、池袋テアトルダイヤ、川崎チネチッタの関東圏3館で限定公開されたのを皮きりに、12月から翌2007年3月にかけて全国でロードショーされた。

2007年5月24日より北米でも劇場公開された。

また今監督の一周忌にあたる2011年8月25日には、ドリパスによる追悼企画として本作と東京ゴッドファーザーズを連続上映するレイトショーが新宿バルト9にて開催された。

キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―」「夢が犯されていく―」

2010年に逝去した今監督の最後の劇場作品であり、それまでに培った今の演出テクニックがまとめて投入された総決算とも言うべき作品で、主人公パプリカの造形をはじめ、今作品の中では最もキャラクター性が前面に出たエンターテインメント性の高い "アニメらしい" 作品でもある。

ヴェネツィア国際映画祭ではオフィシャルコンペティションに選出される快挙を果たした。

世界3大映画祭と呼ばれるベルリン、カンヌ、ヴェネツィアで一般映画に混じったオフィシャルコンペティションへの出品は、当時、日本アニメの監督では宮崎駿監督、押井守監督と今監督の3人しかいなかった。

第63回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門出品作品、第19回東京国際映画祭のanimecs TIFF 2006共同オープニング上映作品。

 

 

パプリカ

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パプリカ [DVD]

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あらすじ

 

 

精神医療総合研究所の天才科学者である時田浩作が発明した他人の夢を共有できる画期的テクノロジー「DCミニ」が盗まれた。

それを機に研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになり、精神を冒されていく。

謎の解明に挑む美人セラピスト千葉敦子は、極秘のセラピーを行うため、DCミニを使用して性格も容姿もまったく別人の夢探偵パプリカに姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。

しかし、狂ったイメージに汚染された夢の中では、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた…。

 

 


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登場人物

 

 

千葉 敦子 / パプリカ

声 - 林原めぐみ

 

本作の主人公で、研究所でも一目置かれているサイコセラピスト。

DCミニを使用し別人格パプリカの姿で患者の夢に潜り込み、悪夢の原因を探るなどの治療を行っている。

常に冷静沈着で理知的なクールビューティーだが、彼女の別人格であるパプリカは天真爛漫で無邪気な少女のような姿をしている。

DCミニが盗まれたと知ったときには時田の管理能力の低さに厳しい言葉を浴びせるが、彼の天才的な技術には絶大な信頼を寄せている。

装置の悪用による島の発狂現場に居合わせており、悪夢の中に潜って彼を現実世界へと引き戻した。その後も立て続けに起こる事件を食い止めるため犯人探しに奔走する。

 

 

島 寅太郎

声 - 堀勝之祐

 

千葉らが所属する研究所の所長ならびにDCミニの開発担当責任者を務める、明朗快活な白髪の男性。

物語序盤でDCミニの悪用による精神攻撃を受けたことで発狂し、研究所の窓から飛び降りて大怪我を負う。

昏睡状態のまま悪夢に捕らわれてしまうが、千葉(パプリカ)の活躍により無事に現実世界へ戻ることができた。

覚醒後は千葉らと協力し、事件の犯人を追う。

 

 

時田 浩作

声 - 古谷徹

 

千葉らと同じ研究所で働く研究員。

DCミニの開発者であり天才科学者と称されているが非常に子供っぽい性格で、エレベーターから出るにも苦労するほどの肥満体型。

DCミニを盗んだ氷室とは友人であったため、彼に対して疑問と怒りを覚えていた。

同僚の千葉とは親しい仲で、気さくに「あっちゃん」と呼んでいる。

 

 

粉川 利美

声 - 大塚明夫

 

千葉(パプリカ)による治療を受けている刑事。

悪夢に悩まされており、旧知の仲の島からDCミニによる治療を紹介された。

強面だが少し抜けている面もあり、コミカルで親しみやすい男性。

研究所を訪れた際、初対面の千葉に見惚れ、同時にパプリカの正体が彼女であることを見抜いた。

 

 

乾 精次郎

声 - 江守徹

 

研究所の理事長を務める老人。

下半身不随のため車椅子で移動している。

DCミニをあまり快く思っておらず、危険性を重視し開発中止も検討している。

 

 

小山内 守雄

声 - 山寺宏一

 

研究所の職員。

千葉に好意を抱いているが相手にされておらず歯がゆい思いをしている。

また、優秀な時田に対して嫉妬心を抱いているなど少し影のある青年。

 

 

あいつ

声 - 田中秀幸

 

粉川の悪夢に登場する男性で、シルエットに覆われておりはっきりとした姿は見えない。

終盤でようやく粉川は彼の正体に気づく。

 

 

日本人形

声 - こおろぎさとみ

 

劇中の悪夢に必ず登場する、おかっぱで赤い着物を着た無表情の日本人形。

他人の顔に変化したり、巨大化することもある。

 

 

氷室 啓

声 - 阪口大助

 

時田と共にDCミニの開発に携わっていた研究員。

時田の才能に嫉妬しDCミニを無断で持ち出すが、自身も悪夢に飲み込まれ昏睡状態となる。

 

 

玖珂

声 - 筒井康隆(特別出演)

 

ネット上でのバー「RADIO CLUB」のバーテン。

 

 

陣内

声 - 今敏(特別出演)

 

「RADIO CLUB」のバーテン。

 

 

 

 

 

 

 

奇才・今敏監督の遺作にして最高傑作

 

 

本作では、それまでの今敏作品と同様に「虚構と現実」というモチーフが使われ、シームレスにつながった夢と現実が激しく切り替わり、現実と虚構の境目が分からなくなる世界を独自のリアリズム表現で描いている。

夢と現実の境界が曖昧になるというのは、現実が妄想に浸食されるという恐怖に震えたパーフェクトブルーや騙し絵のような世界が繰り広げられた千年女優とも重なる表現であり、加えて、事件の真相に絡むスペクタクルかつエロティックなシーンとも相まって、観客に感激と官能の昂揚感をわき上がらせる。

今監督にとって「虚構と現実」というのは、対になる対照的な概念ではなく、どちらも「描かれたもの」という点では同質であり、両者を分けるのは「そこに描かれているもの」だけである。

また今監督が画面を作るときに実景を引き写す(トレースする)ことはほとんどなく、画面にはリアリティより「それらしさ=抽象性」の方を強く求めていた。

つまり、観客が「本物みたいだ」と感じるリアリティに溢れた画面が、それを描かせた今監督自身にとっては「単なる絵」であり、アニメだからこそ現実と虚構の2つを区別するものは、表現の水準では本質的に存在しないのである。

このギャップこそが今敏監督作品を支えている "仕掛け" を生んでいる。

『パプリカ』の場合も「夢」と「現実」がともに「描かれた現実」であることには変わりがない。

しかし本作が他の今監督作品と異なるのは、「夢」と「現実」が地続きではなく、それぞれが相手の存在に変容していくというより混淆の度合いが深い関係性にあるという点である。

「描かれた現実」の根底の部分にある「物質性」に手を加えることで、「夢」は「現実」に、「現実」は「夢」へと変容する。

作中では「夢」は「夢を見ている人間の無意識な欲望を反映し歪んだ現実」として表現されており、その絵のレベルで歪みを加えてやると「現実」は「夢」に、歪みを補正してやると「夢」は「現実」に変容するという仕掛けになっている。

卓越した画力によって「絵であることを忘れさせるようなリアリスティックな絵」をまず一旦「現実だ」と思わせておいてから、「実はこれは絵でした(虚構)」という形で現実と虚構と同じ位置に並べるというのが今敏作品における「虚構と現実」の関係であり、アニメならではのイリュージョンなのである。

この映画において、今監督がテーマの中核として位置づけていたのが物事の「二面性」や「多面性」、「対照性」、そしてそれらの「バランス」であり、当初から意図して映画に組み込んでいる。

たとえば、顕著な二面性が見られるのはヒロイン千葉敦子とパプリカで、この二人は同一人物内の異なる人格を具体化した登場人物だが、監督としては二人を異なる人物と見なして演出していた。

その方が、ある人間の内面における葛藤や対立をより明快に描けると考えたからである。

敦子・パプリカの関係は同一人物内の対照性と二面性だが、他のキャラクターたちの性格設定や人物配置も同様の考え方に従っている。

このように、今監督は『パプリカ』では基本的なコンセプトとして「対」という考え方をとても大事にしていた。

今監督は、『パプリカ』で制作の結果として創造面の自由を感じたわけではなく、むしろまったく逆で、創造面での自由を獲得するために『パプリカ』を映画化しようとした。

それ以前に監督した映画は、すべてが「現実的な枠組み」の中であっても、見方を少しシフトすることで現実とは異なる大きなファンタジーが生まれてくる、という考え方で制作していた。

しかし、現実的な枠組みで映画の世界観を構築し続けていると、どうしても自分の描けるものが限定されてくる。

技術的にはもっと色々なことを描写することは可能であるにもかかわらず、アイディアそのものが限定されれば技術の使いようもない。

こうしたディレンマもあり、自分の想像力を拡張するために選んだ企画が『パプリカ』だった。

ちなみに映画で描かれた精神病患者が見る特殊な "悪夢" のパレードは原作にはなく、すべて今監督が考えたものである。

時間的な制限も大きい映画において、原作のように色々な夢をさまざまな形で描くということは難しく、映画全編を通じて柱となるような夢、特にそれが出てくると一目で悪夢と伝わるような夢のイメージを中心に据えることにした。

それが無生物たちによるパレードだった。

パレードのシーンは、音楽を担当している平沢進氏と2人3脚で作り上げた。

今監督曰く、「平沢さんの音楽から、映像が生まれてくる感じですね。私にとって音はすごく大切。音半分、映像半分。それが合わさって100ではなく、150にも200にもなっていくと思っています」。

 

 

 

時代を先取ったサイケデリックな映像美と癖のあるキャラクター

 

 

「大人向け」のアニメとして国内外で高く評価されるアニメーター・今敏監督の映画。

その代表作のひとつである本作『パプリカ』は、夢と現実が入り乱れる狂気的な世界観に驚かされる作品。

主人公のサイコセラピスト・千葉敦子は他人と夢を共有できる「DCミニ」という装置を使い、夢の中での別人格・パプリカとして患者の夢へ入り込み、悪夢の原因を探るなどの治療をしている。

しかし、何者かに「DCミニ」が盗まれてから、狂ったイメージに犯された夢の世界で戦うことになる。

時代を先取ったサイケデリックな映像美と癖のあるキャラクターが強く記憶に残る作品だが、特に印象的なのが「パレード」のシーン。

人形やマネキン、家電製品や自動車、鳥居、自由の女神、たぬきの置物、楽器を持ったカエルなど、あらゆる無機物が行進を続け、砂漠、森、橋を渡り、やがて人のいる都会へ到達し、楽器は鳴り続け、紙吹雪が舞い……と、文字に起こすと一層何が起こっているのか分からない混沌としたシーンが数分間も存在している。

さらには音楽を担当した平沢進氏の楽曲が浮世離れした雰囲気を醸し出していて、そのあまりの情報量の多さに、理解しようとすればするほどドツボにハマっていく不気味さがある。

結局いくら観ても理解は出来ないのだけど…。

しかし観ていると、なぜか不安になってくる人間の表情(特に笑顔)も相まって、脳に直接流れ込んでくるようなイメージの波に溺れてしまいそうになる作品。

奇才・今敏監督の遺作にして最高傑作である。

 

 

 

 

 

 

 

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