アニメ
薬屋のひとりごと
2クールでなんと6曲! 世界観を彩り物語をより深く豊かにしてくれた多彩な挿入歌たち
『薬屋のひとりごと』とは
後宮を舞台に「毒見役」の少女が、様々な難事件を解決する、シリーズ累計3,100万部突破の
大人気後宮謎解きエンタテインメントが待望のアニメ化!
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あらすじ
大陸の中央に位置するとある大国。
その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。
名前は、猫猫(マオマオ)。
花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。
ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。
今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。
呪いなどあるわけないと言わんばかりに。
美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。
壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。
稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
挿入歌
第3話挿入歌「想風」
第3話「幽霊騒動」の挿入歌を担当するアーティストは大原ゆい子さん。
挿入歌「想風」は、You TubeのTOHO animation チャンネルにて、第3話のアニメ映像とともに一部視聴可能。
「結ばれるのなら 人を欺くこと 厭わないほど」「美しい姿で貴方の胸に抱かれる日がくると信じて咲く花よ」といった、第3話に登場する芙蓉妃(フヨウヒ)のエピソードと関連した歌詞が印象深い、透明感のあるバラードだ。
大原さんは「印象的なシーンで流れる楽曲なので、作詞も作品に調和するようにと思考しました。」とコメントしている。
第9話挿入歌「明日を訪ねて」
第9話「自殺か他殺か」の挿入歌を担当するアーティストはXAI(サイ)。
挿入歌「明日を訪ねて」は、You TubeのTOHO animation チャンネルにて、第9話のアニメ映像とともに一部視聴可能。
園遊会での毒混入、上級妃へのいじめ、心中未遂を起こした妓女、武官の変死、そして下女の水死事件など、猫猫がこれまでに向き合った様々な事件や「生」と「死」を追体験する楽曲・映像だ。
XAIは、「登場人物たちの気概に圧倒されながら、彼らの胸のうちに寄り添えるよう歌いましたので、アニメと合わせてぜひ聴いていただきたいです。」とコメントしている。
第12話挿入歌「雪中花」
第12話「宦官と妓女」の挿入歌を担当するアーティストはきしかな子さん。
挿入歌「雪中花」は、You TubeのTOHO animation チャンネルにて、猫猫が雪空の下でたたずむ第12話のアニメ映像とともに一部視聴可能。
第19話挿入歌「蒼空の炎」
第19話「偶然か必然か」の挿入歌は、竹中だいちさんが歌う「蒼空の炎」。
傷つき気を失った猫猫を、壬氏が抱えて歩いていくシーンで使用されている。
第19話放送後、竹中さんは「素敵な作品に参加させていただき至極光栄です」とXにてポストしている。
第23話挿入歌「ホトトギス」
第23話「鳳仙花と片喰」の挿入歌は「ホトトギス」。
エンディングのクレジットでは歌手の名前がなかったが、作中で歌を歌っていたのが鳳仙(フォンシェン)であるため、鳳仙の声優である桑島法子さんが歌唱しているものと思われる。
第24話挿入歌「想い咲く時」
第24話「壬氏と猫猫」の挿入歌はアオイエマ。さんが歌う「想い咲く時」。
第24話「壬氏と猫猫」と第12話「宦官と妓女」は、タイトルもそうだが対の話しになる。
故におそらく、第24話挿入歌「想い咲く時」と第12話挿入歌「雪中花」も対になる曲だと思われる。
第24話放送後、アオイエマ。さんは「素敵すぎる作品に携わることができて光栄です...とても緊張しましたが、作品をイメージしながら精一杯歌わせて頂きました」とXにてポストしている。
なお、 第23話挿入歌「ホトトギス」が第24話でも一部使用されている。
2クールでなんと6曲! 世界観を彩り物語をより深く豊かにしてくれた多彩な挿入歌たち
2クールで6曲もの挿入歌
アニメ『薬屋のひとりごと』で使用された挿入歌は2クールで6曲。
これは非常に多い数字である。
一般的にアニメの挿入歌というのは1クールで1曲あれば十分で、2曲もあれば多い方。
挿入歌がない作品だってたくさんある。
もちろん、挿入歌の有無や多寡が作品の優劣を決定するわけではない。
挿入歌が多いという理由で、その作品が良作になるわけではない。
多すぎる挿入歌は物語混乱させるだけで、世界観を壊してしまい逆効果にだっておおいになり得る。
しかしアニメ『薬屋のひとりごと』で使用された2クールで6曲もの挿入歌は、そのどれもが秀逸で、すべてが世界観を彩り物語をより深く豊かにしてくれるものだった。
世界観を彩り物語をより深く豊かにしてくれた挿入歌
アニメ『薬屋のひとりごと』は世界観の作り方が非常に巧い作品だ。
舞台は中国風の架空の世界。
あくまでもファンタジーなので、実在の国ではない。
原作の日向夏さんによるとモデルは唐代、楊貴妃の時代を中心に衣服や花街、後宮はイメージされていて、文化レベルは十六世紀頃を想定。
皇帝がいて後宮があって官僚がいて軍人がいて市井の人々がいる。
話のネタ的に、紙不足にさせたりすることもあれば、科学的知識は十九世紀頃くらいまでなら使うようにしているとのこと。
ある意味異世界ものではあるが、転生者はいない。
そのため作中で当時の中国とは異なる部分や、時代に合っていない部分もあるのだが、それは舞台が「架空」の世界であるため。
あくまで中国風のパラレルワールドの世界だということは認識しておいてほしいとのこと。
実際に作中には7〜8世紀の唐代になかったであろう物や情報が、たびたび使用されている。
第2話にて媚薬として登場したカカオや、第5話の炎色反応、第10話の蜂蜜による乳児ボツリヌス症も、8世紀よりかなり後の時代の知識である。
それなのに案外しっくりきてしまうのは、物語のベースとなる後宮の描き方がしっかりしているからなのだろう。
現代風にアレンジはされていても、そこには歴史をしっかり感じられる。
アニメ『薬屋のひとりごと』をジャンル分するなら、ミステリー&ファンタジー&ラブコメディになるようだ。
しかしドSすぎる猫猫とドMすぎる壬氏のキャラクターが強烈すぎて、コメディ要素が強く印象付いてしまっているような気がする。
そのコメディ要素は本作にとって非常に重要なものではあるが、そのせいで主軸となる美しく儚く素敵な物語が薄れてしまうのは酷く勿体ない。
そんなコメディに傾きがちになった時、緩みかけた物語をキッチリ締めてくれたのが豊富な挿入歌の数々だった。
アニメ『薬屋のひとりごと』の挿入歌はどれも美しく儚く素敵な楽曲ばかりで、物語とも非常に良くマッチしていた。
本作がコメディにどっぷり染まり切らなかったのは、要所要所で物語を締めた挿入歌の存在があったからと言っても決して過言ではない。
名作『葬送のフリーレン』と並び称されたアニメ『薬屋のひとりごと』。
(覇権を争ったこの二作品の、どちらにも主要キャラクターとして出演している種﨑敦美さん凄し!おまけにこの二作品の第1クールは『SPY×FAMILY』とも被っており種﨑敦美さんはアーニャ役で出演)
普通に観るだけでも魅力たっぷりのアニメ『薬屋のひとりごと』ではあるが、物語の要所で流れる挿入歌に注目して観直してみるのも面白いかもしれない。
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