機動戦士ガンダムシリーズ
〈完全版〉機動戦士ガンダムシリーズ〔宇宙世紀(U.C)〕を徹底解説
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- 〈完全版〉機動戦士ガンダムシリーズ〔宇宙世紀(U.C)〕を徹底解説
- 宇宙世紀ガンダムの世界観
- 機動戦士ガンダム正史宇宙世紀年表
- ラプラス事件(U.C.0001)
- 一年戦争(U.C.0079 - 0080)
- ギレン暗殺計画(U.C.0079)
- デラーズ紛争(U.C.0083)
- グリプス戦役〈サイドストーリー〉(U.C.0086 - 0088)
- グリプス戦役(U.C.0087 - 0088)
- 第一次ネオ・ジオン抗争(U.C.0088 - 0089)
- 第二次ネオ・ジオン抗争(U.C.0093)
- 連邦軍上層部による極秘審問会(U.C.0093)
- ウンカイ、ラー・デルス襲撃事件(U.C.0094)
- ラプラス事変(U.C.0096)
- バーナム動乱(U.C.0096)
- 不死鳥狩り(U.C.0097)
- マフティー動乱(U.C.0104または0105)
- コスモ・バビロニア建国戦争(U.C.0123 - 0128)
- ザンスカール戦争(U.C.0149 - 0153)
- 宇宙世紀以降の年表
- それはロボットアニメの金字塔【ガンダムシリーズ】本物の戦争には勧善懲悪など存在しない
宇宙世紀ガンダムの世界観
宇宙世紀とは
宇宙世紀(Universal Century)とは、『ガンダムシリーズ』のうち、アニメ第1作『機動戦士ガンダム』およびその続編・外伝作品の舞台となる架空の未来における紀年法。
英文表記は「U.C.」と略される。
宇宙世紀は「世紀」とは称するが、100年区切りのそれではなく、実際には年をカウントする暦である。
例えば、シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』そして一年戦争の時代となる「宇宙世紀0079」とは、宇宙世紀に入って79年目の年であることを意味する。
スペースコロニーへの移民が開始された年を0001年(元年)とする。
常にゼロを含む4桁で表記され、日本語読みでも0001年は「トリプルオー・ワン」、0079年は「ダブルオー・セブンティナイン」、0123年は「オー・ワン・トゥエンティスリー」と英語読みする。
なお英文表記およびその略称は『機動戦士ガンダム』の冒頭ナレーションおよび放送当時の書籍で確認できる。
『機動戦士ガンダムUC』における地球連邦政府初代首相リカルド・マーセナスの演説によれば、宇宙時代の世紀という意味では「ユニバース・センチュリー」とするべきだが、「人類はひとつになれるという事実を普遍化し、協調し、一個の種として広大な宇宙と向き合う」という祈りを込めて、あえて普遍的世紀(ユニバーサル・センチュリー)と名付けたという( "universal" には、「宇宙の」「宇宙的な」という意味合いもある)。
シリーズの原点となった『機動戦士ガンダム』の舞台は、劇中のナレーションより0079年から0080年までとされる。
また映像作品で描かれたのは『機動戦士ガンダムUC』のプロローグにおける0001年の改暦セレモニー(『ガンダムUC』本編は0096年)から、『G-SAVIOUR』の舞台となった0223年までの範囲である。
世界観
この未来においては、増えすぎた地球人口による食糧問題や環境破壊などへの対策として、地球と月のラグランジュ・ポイントに多数のスペースコロニーが建設され、そこに多くの人々が居住している(地球・月・コロニーを含む宙域を「地球圏」と称する)。
しかし、これらコロニーの自治権を巡り、地球連邦政府とコロニー住民(スペースノイド)との間で衝突が頻発し、ついには0079年の一年戦争をはじめとする多数の大規模な戦乱を生じるに至る。
そのような状況の中、レーダーや無線通信を阻害する「ミノフスキー粒子」の発見・利用によって、特に兵器において劇的な技術革新が起こる。
その代表格が人型汎用機動兵器「モビルスーツ」である。
月面にも都市が建設されているほか、ルナツー、ア・バオア・クーなど資源調達のために地球軌道上に移送された小惑星も周回しており、のちに要塞として転用されている。
地球からの離脱手段は旧来の化学ロケットのみならずマスドライバー加速によるシャトルが中心となっているが、軌道エレベータは実現されていない。
特権階級の存在
この時代、地球居住が合法的に可能なのは地球連邦政府関係者や富豪といった特権階級であり、彼等が宇宙に出ることはあまりなく、また一度地球から宇宙へ移民として出た場合、地球に戻ることはほとんど不可能であった。
そのため、「地球に残れた者」と「宇宙へ移民した者」の間には深い溝が発生している。
経済
ガンダムシリーズでは第一作の『機動戦士ガンダム』からモビルスーツ等の兵器も現実的な産業機械として設定されており、アナハイム・エレクトロニクスなどの軍需企業が販売する『商品』として描写するシーンもある。
通貨
単位はセント(『機動戦士Zガンダム』)、ギラ(『機動戦士ガンダムZZ』)、ハイトおよびクール(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』)など場所や時期により異なる。
詳細な物価は不明であるが、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』では支払いのシーンが複数登場しており、新聞が20クール、リボーからフランチェスカまでのチケット代が520ハイト、ウィスキーの水割り1杯が5ハイト3クールなどである。
地球・宇宙共にジャンク品の需要が多く回収業者も存在する。
教育
教育機関は少なくとも小学校(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』)、高等学校〈ハイスクール〉(『機動戦士Ζガンダム』)、専門学校〈シニア・ハイスクール〉(『機動戦士ガンダムUC』)、大学が存在している。
交通
0079年頃のコロニー内での主要交通手段としては「エレカ(エレクトリック・カーの略)」と呼ばれる電気自動車が普及している。
これは密閉されたコロニー内の空気を清潔に保つ必要があるためで、エレカの免許は15歳から取得可能、コロニー内での制限速度は40km/hとされる。
地球上でも都市部ではエレカが普及しているが、未開の地域や高緯度・熱帯地方などではいまだにガソリン車やハイブリッドカーが使用されており、一年戦争でジオン公国軍が地上で運用した車輌やバイクも内燃機関を有しているものがほとんどである。
また、0123年頃にはエレカに代わって、一年戦争期に公国軍で開発された小型ホバークラフト「ワッパ」が発展し、コロニー・地球上問わず一般的な移動手段として普及している(『機動戦士Vガンダム』)。
文化
0087年には、カミーユ・ビダンの「ジュニアモビルスーツ大会優勝」という受賞歴とその際に撮られた写真から、小型のモビルスーツを用いたロボット競技も行われていることが分かる(『機動戦士Ζガンダム』)。
言語
『機動戦士Ζガンダム』においてパプテマス・シロッコが綴った「血の誓約書」、カイ・シデンがハヤト・コバヤシに宛てた手紙、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』においてオクトバー・サランがチェーン・アギに宛てた手紙など、作中に登場する文書類の文面は基本的に英語で書かれている。
『機動戦士ガンダムUC』では、英語を基本言語として綴りと発音を一致させた「世界標準語」が制定されたという設定になっている。
エネルギー
スペースコロニーでは太陽光発電やそれを利用した人工太陽を活用しており、エネルギーを自給自足可能としている。
地球上では、静止軌道上に太陽光発電衛星を設け、それによって得られた電力をマイクロウェーブで地上に送電する事で大半の電力を賄っている。
一方で、核融合に必要なヘリウム3(中性子放射がほとんど発生しない事から燃料として使用される)を木星から採取し地球へ運ぶ木星船団が組織されており、地球圏の消費電力の大半はこれを用いたミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉で賄われているとした資料もみられる。
通信ミノフスキー粒子が散布下では電波通信は行えないため、長距離通信はレーザー通信が主流。
小説『ガンダムUC』ではスペースノイドはコロニーという精密機械の中で生活する必要上、電波の使用に制限が課せられており、ネットや電話は有線での使用が基本と設定されているが、作品によってはスマートフォンや携帯電話が登場する場合もある。
またテレビ電話も普及しており、様々な作品で使用する描写が見られる。
サンライズ公式宇宙世紀年表
サンライズが制作した映像フィルムである2014年の公式PV『100秒でわかる「機動戦士ガンダムUC」』では(U.C.0001〜0153)までの年表が掲示され、そこには『機動戦士ガンダム』から『機動戦士Vガンダム』までの作品の映像が編集されている。
宇宙世紀年表は、上記で紹介したサンライズの映像フィルム以外にも、過去から現在に至るまで様々な会社から発表されてきたが、それはサンライズ公式設定やサンライズ準公式設定をあまり区別せずに各社の独断で判断し構成されていることが殆どであり、そういった理由から、各社の年表を比較した場合においても、細部の内容に食い違いが発生する事となっている。
しかしながら、上記のPV『100秒でわかる「機動戦士ガンダムUC」』だけでなく『【U.C. ENGAGE】宇宙世紀ヒストリー』登場の映像作品、サンライズ監修書籍『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル』年表、及び公式ショップ『ガンダムベース』壁面年表など、いずれも〜U.C.0153、つまり『機動戦士Vガンダム』までとなっている。
宇宙世紀だけどパラレル作品
映像化されればサンライズ公式設定となるのは上記で説明した通りだが、映像作品であってもパラレルとして紹介される作品も存在している。
一年戦争を舞台にした準公式作品である漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』や漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、サンライズ公式設定や宇宙世紀の正史と異なった独自の設定などを盛り込んだ作品で、この2作品は後にタイトルをそのままにそれぞれアニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』、アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』として映像化されサンライズの公式設定となった部分もあるが、こちらもパラレルであるとされている。
『サンダーボルト』のプロデューサーを務めたサンライズの小形尚弘氏は2016年のインタビューで「『サンダーボルト』が正史か、パラレルかっていう問題はあったが、アニメを制作している自分達は、そんなに意識している訳ではない。
以前までは映像化されたものが正史という考え方だったが、河口さんも先ほど言っていたように、ガンダムの幅がどんどん広がってきて、『サンダーボルト』に関しては、たまたまスタジオ的にタイミングがよかったっていう理由が大きい。制作する中で、サンライズがやるからには正史に組み込んでいいようには作るが、それをやり過ぎると太田垣先生の味がなくなってしまうので、そこに関しては半分パラレルでいいのかなって思いながら作っていました。」と語った。
また同インタビューで小形は「『サンダーボルト』は、ガンダムという舞台設定だけ借りた、富野さんが昔言っていたように何回目かの宇宙世紀っていう考え方でいいじゃないかと思いますね(笑)。海外のコミック映画みたいに監督が代わると見え方も変わるっていうやり方も、今のガンダムというコンテンツであればこその許容力はできているんじゃないかと思います」と制作中は、あまりサンライズ公式か正史かどうかに拘っていなかった見解を語っている。
しかし2018年には、『サンダーボルト』は宇宙世紀の本伝ではなく、パラレルであると改めて言及している。
機動戦士ガンダム正史宇宙世紀年表
ラプラス事件(U.C.0001)
機動戦士ガンダムUC(物語冒頭)
小説・アニメ:2010年 - 2014年
西暦から宇宙世紀への改暦セレモニーの際に、地球低軌道上に設置された地球連邦首相官邸「ラプラス」が爆破され、初代首相リカルド・マーセナスらが死亡した事件。
劇中の世界では地球連邦政府樹立に反対するテロリストが起こした事件とされていたが、真相は地球連邦政府内の保守派勢力の陰謀によって引き起こされた暗殺で、『機動戦士ガンダムUC』ではこの時に抹消されたある事実を巡る物語が繰り広げられる。
一年戦争(U.C.0079 - 0080)
機動戦士ガンダム
テレビシリーズ:富野喜幸【全43話】(1979年–1980年)
映画
- 「機動戦士ガンダム」 富野喜幸(1981年)
- 「機動戦士ガンダムII・哀戦士編」 富野喜幸(1981年)
- 「機動戦士ガンダムIII・めぐりあい宇宙編」 富野喜幸(1982年)
地球から最も離れた(月の向こう側に位置する)スペースコロニー・サイド3が宇宙市民の自治権を求め、「ジオン公国」を称して地球連邦に挑んだ独立戦争。
この戦争において人型機動兵器・モビルスーツが初めて実戦投入され、戦争初頭において人類はその人口の半数を失った。
戦争は、ジオン公国を支配したザビ家一党が滅亡したことにより、新たに成立したジオン共和国臨時政府と地球連邦政府が終戦協定を結ぶ形で終結した。
ギレン暗殺計画(U.C.0079)
機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画
コミック:Ark Performance【全4巻】(2007年-2010年)
アニメ『機動戦士ガンダム』の舞台である一年戦争末期、ジオン公国総帥ギレン・ザビ暗殺計画が存在した、という設定の下に、陰謀に関わった人々、当時のジオンの状況などを、終戦後ジオン本国に入った連邦軍の調査で発見された極秘資料、及び記録映像等を元に再構成したドキュメンタリー『 “一年戦争” 終戦20週年特別番組 ギレン暗殺計画 〜ジオン最後の一週間〜』(U.C.0100放送)の映像として描く。
デラーズ紛争(U.C.0083)
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYOVA
映画
- 「機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光」今西隆志(1992年)
ジオン公国軍の残党であるデラーズ・フリートと地球連邦軍の紛争。
デラーズ・フリートはコロニー落としを行い北米の穀倉地帯を壊滅させることに成功したものの、この紛争を契機に連邦内ではジャミトフ・ハイマン准将が中心となってティターンズが結成され、スペースノイドに対する弾圧が強化されることで後のグリプス戦役へと繋がっていく。
なお、事件は巧妙に隠蔽され、コロニー落としの件はコロニー輸送中の“事故”として処理された。
グリプス戦役〈サイドストーリー〉(U.C.0086 - 0088)
機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―
コミック:ことぶきつかさ【全2巻】(2005年-2007年)
主人公のカイがジャーナリストであることから、ガンダム作品では珍しくモビルスーツがあまり登場せず、戦闘描写は皆無に近い。
ストーリーはカイとゲストキャラクターとの会話で構成されている(密室劇が多いのも特徴である)。
主にカイの視点を通した原作アニメの裏側を描いており、脇役や劇場版に登場しなかったキャラクターに焦点を当てた内容となっている。
グリプス戦役(U.C.0087 - 0088)
機動戦士Ζガンダム
テレビシリーズ:富野由悠季【全50話】(1985年–1986年)
映画
スペースノイド弾圧のため地球連邦軍内に結成された地球至上主義者による軍閥「ティターンズ」(実質的には提唱者であるジャミトフ・ハイマンの私兵組織と化していた)と、彼らの専横に抵抗するために結成された反地球連邦組織「エゥーゴ」の軍事衝突。
中盤にはアステロイドベルトから帰還したジオン公国残党軍「アクシズ」も絡んで三つ巴の様相を呈し、最終的にティターンズはその指導者層を失い瓦解した。
第一次ネオ・ジオン抗争(U.C.0088 - 0089)
機動戦士ガンダムΖΖ
テレビシリーズ:富野由悠季【全47話】(1986年–1987年)
木星圏から小惑星アクシズとともに帰還したハマーン・カーン率いるネオ・ジオンとグリプス戦役に勝利したエゥーゴとの抗争。
ネオ・ジオンは内部抗争もあって弱体化。
最終的には指導者のハマーン・カーンが戦死したことにより終結した。
第二次ネオ・ジオン抗争(U.C.0093)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
映画:富野由悠季(1988年)
グリプス戦役以降行方不明になっていたジオン・ズム・ダイクンの遺児シャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンが、ネオ・ジオンを率いて地球連邦政府に対して起こした反乱。
シャアはアクシズを地球に落下させ、核の冬による寒冷化により地球に執着する特権層の粛清を図ろうとしたが、連邦軍の特務部隊ロンド・ベルや所属する一年戦争時のエースパイロットアムロ・レイの活躍によって阻止された。
連邦軍上層部による極秘審問会(U.C.0093)
機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男 Bright Noah Story
コミック:福井晴敏・葛木ヒヨン(2013年)
ブライト・ノアの視点で『ファースト』から『逆襲のシャア』までのストーリーを追う作品で、『UC』の前日談にも当たる。
ウンカイ、ラー・デルス襲撃事件(U.C.0094)
機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0
「シナンジュ強奪作戦」を題材とした、「UC前日譚」。
アナハイムの裏取引きを防ぐ為、「神殺し」カルロスは巡洋艦ウンカイへ乗り込む。そんな中フル・フロンタルに疑念を持つ親衛隊のアンジェロの過去が明かされる。
フル・フロンタルは、「本物」なのか。
そして遂に戦場に現れたフル・フロンタル。
その姿はまさに赤い彗星だった。
「シャアの反乱」以降に起きたネオ・ジオンとの最大の武力衝突事件の全貌が、ついに明かされる。
ラプラス事変(U.C.0096)
機動戦士ガンダムUC
テレビシリーズ
- 「機動戦士ガンダムUC RE:0096」 古橋一浩(2016年)
第二次ネオ・ジオン抗争の終結から3年後の、宇宙世紀0096年。
サイド4の工業コロニー・インダストリアル7、その増設設備メガラニカにおいて、ビスト財団当主カーディアス・ビストが、フル・フロンタル率いるネオ・ジオン残党軍「袖付き」へ「ラプラスの箱」と呼ばれる重要機密を引き渡す計画が立てられていた。
やがて最終座標でもあったメガラニカに再び辿り着いたバナージは、ミネバと共に自身の曽祖父に当たるビスト財団の創始者であり「ラプラスの箱」の持ち主サイアム・ビストと対面する。
そこで「箱」の正体を知ったバナージとミネバはその開示を決断する。
二人は連邦でもジオンでもない第三勢力をまとめ上げてメガラニカでの決戦を制し、「箱」の中身を全世界に公表するのだった。
バーナム動乱(U.C.0096)
機動戦士ガンダム Twilight AXIS
小説:中村浩二郎・Ark Performance
(2016年-2017年)
「ラプラス事変」と呼ばれた宇宙世紀憲章をめぐる戦いが終結し、数か月が経過した宇宙世紀0096年。
既存の兵器体系を根本から覆す性能を示したサイコフレームを改めて脅威と認識した地球連邦政府は、サイコフレームの調査のために第二次ネオ・ジオン抗争で廃墟となった小惑星アクシズへ特殊部隊マスティマを派遣する。
ジオン公国出身のアルレット・アルマージュとダントン・ハイレッグは、マスティマの道案内を依頼されアクシズに潜入するが、そこでブッホ・ジャンク社の私兵武装集団バーナムと遭遇する。
不死鳥狩り(U.C.0097)
機動戦士ガンダムNT
映画:吉沢俊一(2018年)
漫画:大森倖三 角川書店 【既刊12巻】 (2018年-)
宇宙世紀0097年。
「ラプラスの箱」をめぐるラプラス事変は、「袖付き」の壊滅と「箱」の開放によって決着。
その立役者となったユニコーンガンダム1号機と2号機バンシィは、現在では扱い切れない技術的特異点「シンギュラリティ・ワン」として解体・封印されていた。
だが、それと前後して行方不明であったフェネクスが地球圏各所で目撃されるようになる。
ルオ商会の重鎮となっていたミシェルはシンギュラリティ・ワンと同等の力を手にするため、フェネクス捕獲作戦「不死鳥狩り」に着手するとナラティブガンダムを調達し、そのパイロットとしてヨナを参加させる。
リタの思念を感じて戦場に駆けつけたヨナとミシェルらは、フェネクスと共闘してゾルタンと対決。
ヨナはミシェルを喪いつつも、最終的にはフェネクスの力を引き出してIIネオ・ジオングを撃破する。
全てを終えたフェネクスは、最後にヨナを降ろして銀河の中心に向けて飛び去っていったのだった。
マフティー動乱(U.C.0104または0105)
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
文庫:【全3巻】(1989年–1990年)
映画:【全3部予定】(2021年-)
宇宙世紀0093年。
後に「第二次ネオ・ジオン抗争」と呼ばれる戦火のなかで、ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアは、初恋の少女クェス・パラヤの死や戦場で死んでいく人々の魂の声、そして伝説のニュータイプ戦士アムロ・レイと人類粛清を掲げたシャア・アズナブルの生き様を目の当たりにした。
それから時は流れ、青年へと成長したハサウェイは、地球連邦政府の高官ら特権階級の人々が地球の汚染を加速させており、「人狩り」とも呼ばれる強引な手段で民衆を宇宙に送り出す政策によって地球を私物化していることを知る。
これまでの戦争で死んだ全ての人々の行為を無下にしないため、ハサウェイは反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」への参加を決意。
やがてハサウェイは組織の表向きのリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」として、アムロからは「ガンダム」を、シャアからは「地球の保全」という遺志をそれぞれ受け継いだ戦士となる。
コスモ・バビロニア建国戦争(U.C.0123 - 0128)
機動戦士ガンダムF91
映画:富野由悠季(1991年)
地球連邦軍と大企業ブッホ・コンツェルンの結成した私兵組織クロスボーン・バンガードとの争い。
『機動戦士ガンダムF91』はこの戦争の開戦の部分を描いた作品である。
宇宙世紀0100年代に入り、地球連邦はなお腐敗と増長を続けていた。
これに対し、ブッホ・コンツェルンの当主マイッツァー・ロナは高貴な精神を持つ者が人民を率いるべしとするコスモ貴族主義を掲げ、理想国家「コスモ・バビロニア」の建国と連邦政府の打倒を決意する。
宇宙世紀0123年3月16日、クロスボーン・バンガードはスペースコロニー「フロンティアIV」を襲撃する。
長年の準備期間で力を蓄えたクロスボーン・バンガードが実戦経験がなく弱体化していた連邦軍の駐留軍を駆逐して、サイド4のコロニー群「フロンティア・サイド」を制圧。
「コスモ・バビロニア」として建国宣言を行い、討伐のために派遣された連邦軍艦隊が壊滅した。
また、クロスボーン・バンガードは増えすぎた地球人類の粛正を計画し、一部のコロニーに自立型殺戮兵器「バグ」を投入しこれを実行した。
本来1年程度のテレビシリーズで描かれるはずの物語のプロローグ部分を映画化した事情により、戦争の結末までは描かれていない。
後に『機動戦士ガンダムF91』の監督を務めた富野氏が原作を担当した漫画作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(劇中の時代は宇宙世紀0133年)の中で、「コスモ貴族主義の提唱者であるマイッツアー・ロナの孫娘ベラ・ロナが貴族主義を否定して人は平等であると唱えたため、コスモ・バビロニアは組織が分裂して崩壊した」と、その後の大まかな歴史が語られた。
コスモ・バビロニアの建国自体は失敗したものの、この戦争により地球連邦軍の弱体化と地球連邦政府の宇宙への無関心さが明らかとなり、各地のコロニーが続々と独立する「宇宙戦国時代」と呼ばれる時代へと移行している。
『Vガンダム』に登場するザンスカール帝国も、そうしたコロニー国家のひとつである。
ザンスカール戦争(U.C.0149 - 0153)
機動戦士Vガンダム
テレビシリーズ:富野由悠季【全51話】(1993年–1994年)
コスモ・バビロニア建国戦争から30年、宇宙では各コロニー自治政府間で散発的な軍事衝突が頻発し、さながら群雄割拠の戦国乱世のような不安定な状況に陥っていた。
そのような情勢の中で宇宙世紀0149年にサイド2のコロニー国家「ザンスカール帝国」が建国。
これに対して地球連邦政府及び地球連邦軍は敢えて干渉する事はなかった。
ザンスカール帝国は宇宙戦国時代と連邦の無関心を利用してその影響力を強め、各コロニーを平定、あるいは制圧していった。
そして、超常的な力を発揮するマリア・ピァ・アーモニアとそれを支持する人々の団体の力をバックに、元々木星公社の重役であったフォンセ・カガチはギロチンを使った徹底的な恐怖政治を行使し、着実に力を増していった。
これに危機感を抱いた民間人有志が宇宙世紀0148年にレジスタンス組織「リガ・ミリティア」を結成し、翌年モビルスーツ開発計画「V(ヴィクトリー)計画」を発動させる。
宇宙世紀以降の年表
宇宙エレベーターを巡る戦い(R.C.1014)
ガンダム Gのレコンギスタ
テレビシリーズ:富野由悠季【全26話】(2014年10月 - 2015年3月)
映画
「リギルド」とは再鍍金という意味であり、リギルド・センチュリー(R.C.)は宇宙世紀から千年後のメッキし直された世紀ということである。
『ガンダム Gのレコンギスタ』では、宇宙世紀時代には軌道エレベータを建設するなどの発展を続けていったが地球の資源を徹底的に消耗し尽くした後、枯渇した地球で人類の大半は死に絶え、末期には共食いするほどであったが、生き残ったわずかな人間たちが地上で復興を果たすまでに千年もの年月が費やされた。
そして新しい年号「リギルド・センチュリー(R.C.)」を制定し『ガンダム Gのレコンギスタ』の時代へと移行していった。
なお『ガンダム Gのレコンギスタ』16話「ベルリの戦争」にて「宇宙世紀を含めて2000年を越す歴史がある。トワサンガには」というトワサンガが宇宙世紀から数えて2000年の歴史があるとする旨の台詞がある
ミリシャとムーンレィスの戦い(正暦2345)
∀ガンダム
テレビシリーズ:富野由悠季【全50話】(1999年4月9日 - 2000年4月14日)
映画
具体的な年数は不明ながら『∀ガンダム』の舞台となった正暦2343-2345年の約1万年前(劇場版では約5000年前)は、「宇宙世紀」の紀年法が使用されている時代だったというセリフが存在する。
また正暦の時代では、コロニー落としが行われていた時代は「西暦から宇宙世紀に変わった頃」と劇中で説明されている。
その後、アナザーガンダムの時代を経て、数千年に渡り延々と続く最終戦争アーマゲドンの最終局面に至り、人類は滅亡の危機に立たされた。
その後、生き残った人類は月へ移住する者と地球に住み続ける者に分裂し、地球環境の再生を待った。人類はこの最終戦争にまつわる記録を黒歴史と呼び、月への移住者ムーンレィスによって封印された。
それはロボットアニメの金字塔【ガンダムシリーズ】本物の戦争には勧善懲悪など存在しない
「敵=悪」、だから戦うという間違った思想
敵も同じ人間
『機動戦士ガンダム』が放送開始するまでのロボットアニメといえば、主人公は完全なヒーローで倒すのは悪である敵という図式がほとんどであった。
しかもご丁寧にも人間の姿を模した宇宙人が敵という設定だ。
人間のような姿をしているけど、宇宙人だから倒しても良い。
そんな間違った思想の植え付けが、公然と行われてきた。
しかし『機動戦士ガンダム』の登場がすべてを変えた。
『機動戦士ガンダム』では、「敵=悪」だから戦うのではない。
考え方が違うから、環境や待遇が違うから、だから仕方なく戦うのである。
そして戦うその相手は、主人公たちと同じ人間であった。
勧善懲悪という間違った価値観
同じ人間同士がお互いの主義主張を掛けて戦っているのがガンダムシリーズの一貫した世界観である。
おかげで勧善懲悪という、偏った考え方は成立しない。
敵と呼ばれる人間にももちろん主義主張が存在し、そのどれもが完全に否定できるものではなかった。
どちらにも守るべき正義があったのだ。
そんな調子だからガンダムシリーズの登場人物たちは、「敵をやっつける」なんて子供騙しの感情だけにとどまらなかった。
登場人物たちは自分たちがしていることが人殺しなんだと理解していく。
同時に『機動戦士ガンダム』で描かれているのは人間同士殺し合いなんだと、視聴者も自覚していくことになる。
アニメでは画期的なリアリズム
徹底的に勧善懲悪を排除したガンダムシリーズ。
今では当たり前の描写でも、勧善懲悪ロボットアニメ全盛期の当時として、これは先進的かつ画期的なことであった。
あまりに先進的かつ画期的すぎたが故に、視聴者の方が追いつくことができずに、初回放送が打ち切りになってしまったほどだ。
しかし一部のコアなファンの口コミで、リアルロボットアニメ『機動戦士ガンダム』の人気は広まっていくことになる。
戦闘中のパイロットはイチ戦闘単位
ガンダムシリーズの主人公は物語開始直後、皆一様に人殺しの十字架を背負わされ悩むのが常である。
そして周りの人たちの助言で立ち直っていくわけだが、その助言も実にリアリティに溢れている。
その中でも特別印象に残った言葉がある。
それは『機動戦士ガンダムUC』でマリーダ・クルスが、バナージ・リンクスへ向かって言った言葉。
お前が墜とした奴のことは気にするな。
モビルスーツに乗って戦場にいれば、それはパイロットという戦闘単位だ。
気に病む必要はない。
ただ……自分が既に状況の一部になっている、ということだけは覚えておけ。
組織で戦闘する場合、個人の意思などあってないようなものだ。
殺らなきゃ殺られる。
ならば殺られる前に殺るしかない。
「モビルスーツに乗って戦場にいれば、それはパイロットという戦闘単位」という助言は、まさに的を得ていた。
ガンダムシリーズの画期的な表現法
細かい情報は一切なし
ガンダム以前のアニメには、某有名アニメで有名な「説明しよう」のナレーションのように、独自の設定には注釈が入っていた。
視聴者はそれを観て聴いて物語を理解するのである。
しかしガンダムシリーズでは注釈は一切なし。
記念すべきアニメ『機動戦士ガンダム』第1話「ガンダム大地に立つ!!」では、意味不明な言葉が飛び交っている。
いきなりミノフスキー粒子なんて言われても、チンプンカンプンなのである。
子供には理解しづらい名言の数々
ガンダムシリーズで最も有名な登場人物のひとりであるシャア・アズナブル。
彼の言葉は名言としても有名である。
だが子供にとってはその言葉の意味がまったくわからない。
- 「認めたく無いものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを…」
- 「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差では無いということを、教えてやる!!」
こんなこと言われても、子供には理解できない。
後者ならまだわかるが、前者の場合いったい何が過ちだったのかなんて子供が理解できるはずもない。
こういうことを平気でしてくるのがガンダムシリーズなのだ。
画期的な表現法を採用した意味
登場人物と共に成長する視聴者
前述してきた通り、ガンダムシリーズは視聴者にまったく優しくない表現法を用いたアニメだ。
しかしそこには深い意図があった。
ガンダムシリーズの専門用語は視聴者同様、登場人物たちにとっても初めて耳にするものが多かった。
だが物語が進むにつれて登場人物たちも視聴者も、その言葉が何を意味するのかを次第に理解していく。
物語が進めば進むほど、登場人物たちと一緒に視聴者も成長させていくという深い意図が、そこには隠されていた。
リアリティの追及
ガンダムシリーズでの専門用語に説明がないことにはもうひとつ理由がある。
それは「もし今この瞬間、視聴者が現実に戦争に巻き込まれたら」と考えた場合である。
もし自分が実際に戦争に巻き込まれたなら、意味不明の言葉が飛び交って当然である。
何ひとつわからないまま、生き延びるために戦うしかない。
ガンダムシリーズの制作陣は、まさにコレを狙った。
登場人物たちとシンクロした視聴者の成長は、擬似体験にも近い状況を意図的に作り出した結果であった。
だから最初は意味不明な言葉ばかりで当たり前だったのだ。
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